10ヶ月以内に遺産分けや相続税申告をしないとどうなるの?
相続税の申告・納税の期限は10ケ月以内に行うことになっています。
たとえば、5月12日に死亡した場合は3月12日が期限となります。この期限が土日祝日の場合は翌日が期限となります。
相続人一人一人が実際に取得した財産に対して相続税が算定されるため遺産分割協議が相続人間で整っていることが前提となってきます。
では相続税の申告を10か月以内に申告・納税しなかった場合、どうなるのでしょうか。もし期限が過ぎてしまうと、特例が使えなくなり、納税猶予制度等が使えずまた無申告加算税・延滞税が課されます。
詳しく説明していきます。
まず、配偶者の税額軽減の特例が使えなくなります。“法定相続分までの金額”と“1億6000万円”のいずれか多いほうの金額まで、配偶者に相続税がかからない制度です。未分割の場合でも期限内に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出し、3年以内に分割確定できた場合は、遡って受けることはできます。
二つ目は小規模宅地等の評価減の特例が使えません。住まいや事業用として使用している宅地は評価が低くなります。未分割の場合も配偶者の税額控除同様に見込書を提出すると遡って特例を受けることができます。
もし10か月以内に申告を済ませないと特例が受けられなくなり、特例を受けないままの相続税を相続人全員で分担して納付しないといけなくなります。大きな負担になってきますので注意が必要です。
その他に農地の納税猶予の特例が使えなくなります。農業を営んでいた被相続人から農業用の供されていた農地を相続等により取得した農業相続人が、その農地等に引き続き農業を営む場合、一定の要件の下に相続税額の納税猶予するという制度です。
相続税を金銭で納付することが困難な場合、一定の相続財産で納税する“物納”が認められています。しかしこれは分割が確定していることが前提となりますので、期限内に申告することが条件となります。
また期限内に申告をしなかった場合、無申告加算税・延滞税が課されます。
最後に、遺産分けの話し合いや相続税申告を期限内にするための、早めのスタートが必要となります。期限ぎりぎりにならないように十分に余裕を持ち対応していきましょう。
相続が発生しましたら、できるだけ早く当事務所の無料相談をご利用してみてください。